※以下の内容にはみつめてナイトとサクラ大戦物語〜ミステリアス巴里〜の重大なネタバレを含みます。
みつめてナイトにはバーニングヒーローズネタが仕込まれているらしいという話題をこれまで何度か取り上げてきましたが、
この話題の信憑性は、実際バーニングをやってみないと実感しにくいのは確かです。
(私も匿名希望様に情報提供を頂くまで全く知らなかったのですが…)
しかし、田村氏はこういう仕込みをよくされる方のようで、他の作品であっても過去作ネタが散見される事が多いのです。
しかも、以前にも書きましたが、ただの使い回しではなく、故意に明らかに元ネタと分かるネタを仕込んでいます。
いつか私が気づいた範囲の各作品の類似点をまとめてみたいとは思っていますが、
とりあえずその一例として、みつめてナイト自体が元ネタになっていると思われる作品を紹介します。
正式タイトルを「サクラ大戦物語〜ミステリアス巴里〜」といいます。
サクラ大戦シリーズ3作目、「巴里は燃えているか」のサブストーリー(後日談)で、時系列的には4の後。
主人公は本編の大神一郎ではなく、オリジナルキャラの明智小次郎(+妹の明智ミキ)です。
一応外伝ですが、特に本編(3〜4)をやっていなくても問題ない作りになっています。 (むしろ本編を知らない方が楽しめるというか)
正直な所、熱心なサクラファンにはあまり良い評価を受けた作品ではないようなのですが、(理由はまあ色々と…)
オリジナル作品としてみた場合、個性的なオリジナルキャラや後半の急展開など光るものがあったと個人的には思っています。
まずはバッドエンドの比較です。
どちらも夕暮れの波止場から、ゲームの舞台となった街を船(汽船)で去るというラストシーンになります。
(バッドエンド以外の場合も、波止場にヒロインが駆けつけるという展開で全く同じです。)
これはかなり似ているというか、元ネタ(パロディ?)なのは確実ではないでしょうか?
みつめてナイトバッドエンド 見送りなしVer. (この部分は聖騎士でも変化なし) |
サクラ大戦物語 〜ミステリアス巴里〜 小次郎エンド (バッドエンド) |
※台詞は全てピコ ※ドルファン王国、左から右にパン ――ドルファンが黄昏色に染まる夕暮れ時 人々は平穏なる日常をごく当たり前の様に 黙々と繰り返す ――その平穏が誰によって守られたのかを 考えもせず、ただひたすらと…… いよいよ、この国とも お別れだね… |
※台詞は全て小次郎 ※巴里の街、左から右にパン (フランスとも、今日でお別れだな……) SE:鐘の音 (そろそろ船に乗り込むか……) (じゃあなフランス……また会おうな) SE:汽笛の音 黄昏色に染まるマルセイユ…… 水平線の彼方に沈もうとする夕陽が 俺にとって唯一の見送りだ…… こうして俺の旅は幕を閉じた…… SE:波の音 ※スタッフロールへ お疲れ。 また会おうな。 (クリア記念一枚絵) |
手紙出した | |
手紙出したんだよね? …きっと…来てくれるよ 彼女なら… SE:鐘の音 ――出航を知らせる鐘が鳴り響いた もうそろそろ 出航の時間だよ… 残念だけど もう、あきらめようよ… 行こう ※スタッフロールへ | |
手紙出さなかった | |
いろいろあったけど 楽しい日々だったね 次に行く場所は まだ決めてないんでしょ? でも、二人でなら どこへ行っても大丈夫だよ じゃ、新たな明日に向かって レッツ・ゴー! さよなら…ドルファン ※スタッフロールへ |
次にちょっと物騒なスパイ・刺客系キャラの比較です。
と、その前に、ミス巴里をプレイした事のない方の為に”ベルナデッド・シモンズ”というキャラについて簡単に説明しておきます。
ベルナデッドは度々巴里の街に出没する謎のゴスロリ少女なのですが、その真の姿はディビジョン・ノワールという非公式政府組織の殺し屋です。
彼女は事件の裏で組織の害となる人物を次々暗殺していくのですが、物語終盤で親代わり(?)であったリーダーのドレフィス大佐が殺され、
絶望して自決しようとした所を小次郎(巴里花組)に説得され、思い留まる事になります。
(阻止に失敗して死ぬ場合もあり。 この時の描写はライズ同様あっさりしています。)
淡白な口調、クールな考え方(少々自己暗示気味)を始め、キャラとしての立ち位置、上官に対する感情、意外に文系などの特徴がライズに酷似していて、
比較すると面白い場面は多いのですが、ここではその中でも自決を試みる場面とエンディングを比較してみます。
ライズ エンディング直前イベント | ベルナデッド自決阻止 (単独潜入バージョン) |
※台詞は選択肢除き全てライズ ――戦争が終結し街は平和そのものである もっとも、戦争の緊張感など、城塞内には 漂う気配すらなかったが…… ――ライズ・ハイマーが、近づいてきた 「…良く来たわね 「もう分かってると思うけど 私は、ヴァルファバラハリアン 八騎将の一人 「隠密のサリシュアン… 「よく自由の身になれたなって 顔してるわね? 「昨日、恩赦が下ったわ デュラン国王は兄の遺児である 私を養子にしたいと言ってた 「だが…叔父であれど 父が生涯憎み続けた敵… 養子になどなろうとも思わない 「私はスィーズランドへ戻るわ しかし、その前に… SE:剣を構える音 「父の敵である 貴方を倒さねばならない… (分岐A-1:好感度が規定値に達している) 「どうして…どうして 貴方は敵だったの…? どうして民間人じゃないの…? 「傭兵なんかやってるから… 剣を向けなきゃならないのよ! 「私は…私は八騎将の一人… 血は血でもって償わせなければ ならない… 「さあ…剣を抜いて… いざ尋常に勝負する 戦いたくないので拒否する (分岐B-1-1:いざ尋常に勝負する/好感度高) ※隠密のサリシュアンとの一騎討ちに勝利 「うっ…うう… 「私は…何もかも失ってしまった …父も…八騎将としての 名誉すら… 「…殺して もう…生きていたくない… 父親の遺言に従え 自分の事は自分で始末しろ (分岐C-1-1:父親の遺言に従え) 「遺言…お父様の…? 「…自分の人生を生きろと? 普通の女として…? 「私に…出来るの? 「ごめんなさい… 暫く…独りにさせて… 大丈夫…逃げやしないから… ――ライズは、静かに墓地の奥へと消えた ――彼女が、どんな結末を導き出すのかは 誰にも分からない…… ――遠くで鎮魂歌の鐘が鳴った (分岐C-1-2:自分の事は自分で始末しろ) 「そうよね… そうあるべきよね… SE:効果音 ――ライズは短剣で自らノドを突き、その 姿を真紅に染め、そして息絶えた…… ――彼女は父の元へ逝った (分岐B-1-2:戦いたくないので拒否する/好感度高) ――○○○○は剣を投げ捨てた 「…優しいのね 「私…貴方が剣を抜かないと 戦えない… 「ダメね… もう…八騎将を名乗る資格も ないわ… 「さようなら…私の憧れた人… ――ライズは、涙を拭いもせず走り去った (分岐A-2:好感度が規定値に達していない) 「私はヴォルフガリオの娘 ライズ・ヴォルフガリオ! さあ! 剣を構えなさいっ!! いざ尋常に勝負する 戦いたくないので拒否する (分岐B-2-1:いざ尋常に勝負する/好感度低) ※隠密のサリシュアンとの一騎討ちに勝利 「…殺しなさい! 生き恥はさらしたくないわ ――ライズは短剣を自らに向けて構えた 「そっちにその気がないなら… SE:効果音 ――ライズは、その姿を真紅に染め、そして 息絶えた…… ――彼女は父の元へ逝った (分岐B-2-2:戦いたくないので拒否する/好感度低) 「…戦いたくないですって? ハン…父上もこんな輩に負けて さぞ無念だったでしょうよ 「私は必ずドルファンに 戻ってくる… 「父上に代わって… 新生ヴァルファバラハリアンを もってして、この国を滅ぼす! 「今日、私を殺さなかった事を きっと後悔させてみせるわ! ――ライズは背を向けると、黙って去って いった |
小次郎: (どうやら、 最悪の事態は避けられたようだな……) SE:靴音 ベルナデッド: …………………… 小次郎: お前…… ベルナデッド: まだ……終わってないわ。 SE:打撃音 小次郎: うおっ…… SE:拳銃を落とす音 ベルナデッドは小次郎が落とした拳銃を 素早く拾い上げた。 ベルナデッド: 大佐……私もそばに行きます。 小次郎: やめ―― (J-LIPSが成功した場合) SE:拳銃を払い落とす音 小次郎は拳銃を思い切り払いのけた。 ベルナデッド: お願い……死なせて…… 小次郎: ……今更死んで何になる? ベルナデッド: これまで何人も殺してきたのよ…… 大佐が死んでしまった今、 もう私を許してくれる人はいないわ。 ベルナデッド: 誰も許してくれない世界なんかで 生きていたくない…… 小次郎: だったら、俺が許してやろう…… ベルナデッド: えっ……? 小次郎: その代わり殺した分の償いをしろ…… 全てはそれからだ…… ベルナデッド: 私は……生きるべきなの? 小次郎: 死ねば許される罪なんてない…… 心から償うことで初めて許されるんだ。 ベルナデッド: うっ……うう…… 小次郎: ……お前に一つだけ忠告してやる。 まず生きることから始めろ。 ベルナデッド: うん…… ※各キャラエピローグへ (J-LIPSが失敗した場合) SE:拳銃を撃つ音 SE:ベルナデッドが倒れる音 ベルナデッドは床に崩れ落ちた。 小次郎: バカなマネを…… ※各キャラエピローグへ |
ライズ エンディング | ベルナデッド エンディング |
※台詞は全てライズ 手紙は読んだわ この国を出るんですってね 歴戦の雄も この国じゃ持て余したみたいね バカな話だわ… でも、もっとバカなのは 仲間の敵を目の前にしながら 何も出来ない、この私ね 貴方には完全に負けたわ… 父の遺言を持ち出されては 自害すら出来ないもの… あの日から ずっと考え続けたわ… 八騎将としての名誉も誇りも 失った自分は何なのか… これから どう生きればいいのか… 何の為に生き長らえるのか… でも、結局 答えは出てこなかったわ 延々と自問が続くだけ… そんな時 貴方が、この国を出ると知って 思わず駆けつけたの… 妙な話よね 貴方がこの国を出ようが 私には関係ないのに… ここへ来るまでの間 一生懸命、自分の心の内を 知ろうとしたわ 何故、自分が 港へ向かっているのか 貴方に会おうとしているのか… 貴方の顔を見た時 一つの結論にたどりついたの きっと貴方が全ての答えを 知っている…教えてくれる …って 何の為に生きるのか 騎士を捨てた自分は何なのか… 貴方と一緒にいれば それが分かると思う… いえ、分かる事が出来ると思う だから、お願いがあるの… 私を一緒に連れて行って… 貴方と共に 新しい自分を見つけたい… 二人の手で 明日を見つけたいの… 【YES】 【N O】 ※スタッフロールへ |
小次郎: (フランスとも、今日でお別れだな……) エビヤン警部: ああ……間に合って良かったよ。 小次郎: 何で、あんたがここに? エビヤン警部: どうしても君に会わせて欲しいと 頼まれてな… さあ、こっちへ来なさい。 ベルナデッド: …………………… 小次郎: お前は…… エビヤン警部: コホン…… 本官は少しだけ場を外すとしよう。 ベルナデッド: 最後に会いたかったの…… 小次郎: そうか…… ベルナデッド: 貴方は私に『生きろ』と言った…… でも、それが正しかったのか 未だにわからないでいるわ。 小次郎: …………………… ベルナデッド: だから、生き続けて その答えを見つけてみせる…… だから―― ベルナデッド: 見つけられた時に もう一度だけ会いたい…… 小次郎: いいだろう…… その時は会いに来てやるさ。 ベルナデッド: ありがとう…… SE:汽笛の音 ベルナデッド: (さようなら…… 貴方に会えて良かった……) ※スタッフロールへ ベルナデッド(クリア記念一枚絵): おめでとうと言った方が良いのかしら? |
次に主人公にピンチを救われたキャラの比較です。
エルザ・フローベールは小次郎の妹ミキの親友で劇団シャノワールの同僚(ルームメイト)です。
エルザは育った孤児院が訳ありだったため、ある事件に巻き込まれるのですが、小次郎・ミキと巴里華撃団の活躍でピンチから救出されます。
エルザにはプリシラっぽい部分の他、土地に対する想いがアンに似ているなど、みつめてナイトのキャラ属性を引き継いでいると思われる部分もあるのですが、
むしろ、エルザは従来の田村作品にはいなかったタイプではないかと思っています。
(ブラコンのミキは恐らくリチア(バーニング)→セーラ(みつめて)の系統だと思います。 この2人よりはかなり逞しいですが…。)
余談ですが、エルザの台詞の108回というのは通称の数のパロディではないかと思いますが、似たような風習(煩悩?)とか元ネタが他にあるんでしょうか?
王女誘拐事件 翌日イベント (王女編・グスタフ編共通) | エルザ エンディング |
【私室(机)】 SE:ノックの音 ピコ 「あ、誰か来たみたい? 【私室(ドアの前)】 SE:ドアの開く音 ――プリシラが訪ねて来た BGM:ちいさな涙 プリシラ 「おはよう、○○○○ 「昨日は大変だったね 貴方がいなかったら、今頃 わたしはシベリア行きだったわ 「…カルノーは結局 どうなったか分からないけど 「でも、彼の事だから きっとどこかで生きてるわ 顔に似合わず、しぶといもの 「とりあえず 今日は、お礼が言いたかったの 「昨日はドタバタしてて ちゃんと言えなかったしね 「………… 「ありがとう、○○○○… 貴方は、わたしの恩人… ううん…最高のナイトよ 「………… 「そ、それじゃ、わたし 城に戻らないと… SE:走り去る音 ――プリシラは恥かしそうに立ち去った |
小次郎: (フランスとも、今日でお別れだな……) エルザ: あ、お兄さーん! SE:走って来る音 エルザ: はぁ……間に合って良かった〜。 ここを逃したら 遥か遠く海の向こうだもんね…… 小次郎: わざわざ見送りに来たのか? エルザ: もちろん! 何てったってお兄さんは、あたしにとって 命の恩人だからねっ。 エルザ: 108回見送ったって、 まだまだ物足りないぐらいよ。 むしろ送り狼になるべきかも! 小次郎: …………………… エルザ: まあ、それだけ感謝してるってこと。 お兄さんがいなかったら、 あたしの人生終わってたもの。 エルザ: 本当に助けてくれてありがとう…… お兄さんは、あたしのナイトだなぁ。 小次郎: 光栄だな…… エルザ: ねえねえ、お兄さんって 恋人いないんでしょ? いたら、ミキがあんな風にならないもんね。 エルザ: だったら、ぜひとも恋人の座には このエルザさんをご指名願いたいなぁ。 小次郎: フッ……ミキが聞いたら暴れ出しそうだな。 エルザ: そりゃあ、ミキとは親友だけど…… 恋のバトルに遠慮は無用ってね。 エルザ: というわけで、お兄さん! あなたのハートを虜にしちゃうから 今から覚悟しておいてねっ!! SE:汽笛の音 エルザ: (バイバイお兄さん……  次に会う時が楽しみだね) ※スタッフロールへ エルザ(クリア記念一枚絵): やったね!! めでたく解決だよ! せっかくだから、もう一回挑戦してよね。 |
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